添削数3-p48-問題5
2026-11-05・数3教科書 p.59〜60
問題
次の無限等比級数の収束、発散について調べ、収束する場合は、その和を求めよ。
$$(\sqrt3-1)+2(2-\sqrt3)+2(3\sqrt3-5)+\cdots\cdots$$
書いたもの


与えられた式は初項 $\sqrt3-1$、公比 $\sqrt3-1$ の無限等比級数で、公比について
$|\sqrt3-1|\le1$ より収束して、その和 $S$ は
$$S=\dfrac{\sqrt3-1}{1-(\sqrt3-1)}=\dfrac{\sqrt3-1}{2-\sqrt3}=\dfrac{(\sqrt3-1)(2+\sqrt3)}{(2-\sqrt3)(2+\sqrt3)}=2\sqrt3+3-2-\sqrt3=1+\sqrt3$$
収束する (丸)
どこがまずいか
答え(収束し、和は $\sqrt3+1$)は合ってる。有理化の計算も合ってる。でも記述だと「$\le1$」と「公比がどこから出たか」の2か所で削られる。
収束の条件を $\le1$ と書いている
- どの行か:「$|\sqrt3-1|\le1$ より収束して」。
- なぜつながらないか:無限等比級数(初項 $\neq0$)が収束するのは $|r|<1$ のときだけ。$|r|\le1$ には $r=1$ と $r=-1$ が入るが、どちらも発散する。だから「$\le1$ より収束」は、まちがった定理を使っていることになる。
- 何がまぎれこむか:同じ書き方を $1+1+1+\cdots$(初項 $1$・公比 $1$)に使うと「$|1|\le1$ より収束」となるが、$S_n=n\to\infty$ で発散する。$1-1+1-1+\cdots$(公比 $-1$)も $S_n$ が $1,0,1,0,\cdots$ と振動して発散する。
- 今回は $\sqrt3-1=0.732\cdots$ なので $<1$ でも成り立つ。だから答えは合うが、条件の書き方で減点される。問題4 でも同じ「$|0.5|\le1$」を書いていたので、くせになっている。$<$ で覚えなおす。
- ついでに:$|\sqrt3-1|<1$ は「$1<\sqrt3<2$ なので $0<\sqrt3-1<1$」と一言根拠を添えると、採点者に迷わせない。
公比 $\sqrt3-1$ を出した計算が無い
- どの行か:1行目「公比 $\sqrt3-1$ の」。
- なぜ要るか:この問題でいちばん手間がかかるのは、項が $\sqrt3-1,\ 2(2-\sqrt3),\ 2(3\sqrt3-5)$ と見た目がばらばらなのに、公比が一定だと示すところ。そこを書かずに「公比 $\sqrt3-1$」と言い切ると、採点者には暗算か当てずっぽうかが見分けられない。
- 書くのは「第2項÷初項」の1行:
$$r=\dfrac{2(2-\sqrt3)}{\sqrt3-1}=\dfrac{2(2-\sqrt3)(\sqrt3+1)}{(\sqrt3-1)(\sqrt3+1)}=(2-\sqrt3)(\sqrt3+1)=\sqrt3-1$$
- 検算:$2(2-\sqrt3)\times(\sqrt3-1)=2(2\sqrt3-2-3+\sqrt3)=2(3\sqrt3-5)$ で第3項とも合う。数でも $0.5359\div0.7320=0.7320$、$0.3923\div0.5359=0.7320$。
最後の「収束する」の置き場所
- 和を出す前に「収束して」と言い、計算の最後にもう一度「収束する」と書いていて、答えがどれか分かりにくい。最後は「答 収束し、和は $\sqrt3+1$」と1行にまとめる。
こう書く
初項 $\sqrt3-1$、第2項 $2(2-\sqrt3)$ より、公比を $r$ とすると
$$r=\dfrac{2(2-\sqrt3)}{\sqrt3-1}=\dfrac{2(2-\sqrt3)(\sqrt3+1)}{(\sqrt3-1)(\sqrt3+1)}=(2-\sqrt3)(\sqrt3+1)=\sqrt3-1$$
(第3項も $2(2-\sqrt3)(\sqrt3-1)=2(3\sqrt3-5)$ で合う)
よって、初項 $\sqrt3-1$、公比 $\sqrt3-1$ の無限等比級数である。
$1<\sqrt3<2$ より $0<\sqrt3-1<1$ なので、$|r|<1$ であり、この級数は収束する。その和は
$$\dfrac{\sqrt3-1}{1-(\sqrt3-1)}=\dfrac{\sqrt3-1}{2-\sqrt3}=\dfrac{(\sqrt3-1)(2+\sqrt3)}{(2-\sqrt3)(2+\sqrt3)}=\dfrac{\sqrt3+1}{1}=\sqrt3+1$$
答 収束し、和は $\sqrt3+1$